近年、キャンプ場での熊の出没情報や被害が増加しています。人間に慣れた熊が出現しているという話もよく耳にします。特にファミリーキャンプでは、子どもの安全確保が最優先で、熊対策についての正しい知識が必要です。
この記事では、環境省のクマ類の出没対応マニュアルを参考に、キャンプ場で熊被害に遭わないための具体的な対策と、万が一遭遇した場合の正しい対処法を詳しく解説します。
近年は人になれた熊がいるという話も耳にします。まとめ部分には、さまざまな熊対策の記事を読んだ私の見解も添えています。
この記事でわかること
- 熊の生態と出没時期・地域
- キャンプ前に確認すべきポイント
- キャンプ場での具体的なクマ対策
- 距離別の遭遇時対処法
- 熊と共存するための心構え
熊について知ろう
日本に生息する熊(ヒグマ・ツキノワグマ)
日本に生息する熊はヒグマとツキノワグマです。
どちらも、メスよりもオスの体が大きい特徴があります。
ヒグマとツキノワグマを比べると体重はヒグマがツキノワグマの2倍近くあります。
ヒグマとツキノワグマの比較表
| 種類 | 成獣の体長 | 成獣の重さ | 生息地域 |
|---|---|---|---|
| ヒグマ(羆) | オス:約150〜200cm メス:約140〜170cm | オス:約100〜250kg メス:約60〜150kg | 北海道 |
| ツキノワグマ(月輪熊) | オス:約120〜150cm メス:約100〜130cm | オス:約40〜100kg メス:約30〜60kg | 本州・四国(※九州では絶滅) |

出没時期
冬眠から開ける4月頃から冬眠が始まる12月頃までの出没が多く見られています。
特に出没が多い時期については地域や年によって変わっており一定の傾向が見られるわけではないようです。

熊は雑食・人の食べ物に餌づくと執着するようになる
熊は植物中心の雑食で、植物以外にも魚・昆虫・動物の死体・弱った動物を食べることもあります。
熊は植物中心の雑食です。(中略)植物以外にも魚や昆虫、動物の死体も食べます。また、衰弱したり、わなにかかったシカ等の動物を食べることもあります。(環境省・クマ類の生態と現状より引用)
熊は一度人の食べ物に餌付いてしまうと、その場所に執着するようになります。
人の生活圏に偶発的に出没することがあります。その機会に人由来の食物に餌付いてしまうと、その場所に執着して頻繁に出没するようになるため、誘引物の除去・管理はクマ類との軋轢防止を考える上で重要な対策となります。(環境省・クマ類の生態と現状より引用)
キャンプ場で熊に会わないためにすること
熊の被害に遭わないためには熊に合わないことが一番大切です。
現在では人間に慣れた熊がいるという話も耳にします。
- 事前に熊の出没情報を確認
- 食べ物は夜間、車内保管
- 熊に存在を伝える
- 子どもから目を離さない
1. 熊の出没状況について確認する
一度クマが出没した場所には再び出没する可能性が高いです。自治体の情報や、キャンプ場に事前に問い合わせて熊の出没情報について確認するとよいでしょう。
2. 食べ物は外に出さない・残飯は持ち帰る
前述の通り、熊は人の食べ物に餌付くと、その場所に執着する特性があります。
キャンプ場でできること:
- ゴミの処理をキャンプ場の指示に従ってしっかり行う
- 食べ物や残飯を放置しない
- 夜間帯は車の中に食べ物を入れておく
- 密閉容器を活用する
熊の目撃情報などがある地域では夜間帯はテント内ではなく、車内に食べ物を入れておく方が安全だと考えられます。密閉容器を活用することで匂いを外に出さない効果が期待されます。

3. 熊に人の存在を知らせる
熊は人間の存在を察知すると、その場を離れる習性があります。山に入る前に爆竹を鳴らして存在を知らせたり、登山時に熊鈴をつけて存在を知らせる方法がよく知られています。
キャンプ場でできること:
- ラジオをつける
- 家族と会話をする
- 物音を立てる
これらの方法で熊に人の存在を知らせることが大切です。熊は耳がよいので特段大きな音を出す必要はなさそうです。

4. 子どもの単独行動を避ける
子どもからは目を離さなないようにしましょう。特に熊の活動が活発になる早朝・夕暮れ時のトイレは大人が同行することが重要です。
熊に遭ったら (※出典:環境省・III クマ類に遭遇した際にとるべき行動)
遠くに熊がいた場合
落ち着いてその場から立ち去りましょう。熊が人間に気がついていないようであれば、存在を知らせるために物音を立てるなど様子を見ながら立ち去りましょう。
- 急に大声を上げたり、急な動きをすると熊が驚いてどのような行動をするかわからないため注意しましょう。
近くに熊がいる場合
背中を見せずに、熊を見ながらゆっくり後退しましょう。慌てて走って逃げてはいけません。
近くに車や建物がある場合はその中に逃げることも有効です。
2020年に長野県のキャンプ場で熊に襲われた女性は近くのトイレに逃げ込んだことで一命を取り留めたそうです。夜間帯にテントごと引きづられ、テントを割かれ、傷を負いましたが、熊が見ていない隙にトイレの中に逃げ込んだというのです。
至近距離で遭遇した場合
両腕で顔や頭を覆い、直ちにうつ伏せになるなどして重大な障害や致命的ダメージを最小限にとどめることが重要です。
熊撃退スプレーを携帯している場合はクマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高くなります。
※熊撃退スプレーを誤って使用することで人に悪影響を与えかねません、また、性能が十分ではないスプレーも販売されており、使用することでかえって熊被害のリスクを高めることにもなりかねないため注意が必要です。
キャンプ前の熊対策チェックリスト
□ 自治体のウェブサイトで出没情報を確認
□ キャンプ場に直接問い合わせ
□ (ソロの場合は特に)熊鈴またはラジオを準備
□ クマ撃退スプレーの購入検討
□ 子どもに遭遇時の対処法を説明
□ 密閉容器を準備(食品保管用)
よくある質問(FAQ)
Q. キャンプ場で熊に遭遇する確率はどのくらいですか?
A. 地域や時期によって異なりますが、事前に自治体の出没情報を確認することで避けられます。
Q. 子連れキャンプで特に注意すべきことは?
A. 子どもから目を離さない、特に早朝・夕暮れ時のトイレは大人が同行することが重要です。
Q. クマ撃退スプレーは必要ですか?
A. 熊の出没が多い地域でのキャンプでは携帯をおすすめします。至近距離での遭遇時に有効です。
Q. 熊鈴は本当に効果がありますか?
A. はい。熊は人間の存在を察知すると自ら避ける習性があるため、音で存在を知らせることは有効です。環境省のガイドラインでも、クマと遭遇した場合は音を出して存在を知らせるように明記されています。
まとめ|熊と人間が共存するためにできること
熊は本来臆病な性格で、人間に近づこうとしないということがわかりました。しかし、最近は人間に慣れた熊がいるというニュースも耳にします。このような熊には環境省のクマ類の出没対応マニュアルに書かれているような人の存在を知らせることが有効ではない場合もあると考えられます。熊の出没状況について事前に情報収集し、人が普段から活動している場所に度々出没している場合は、その場所には行かないという選択も必要です。
熊は一度人間の食べ物を食べると執着するようになります。山やキャンプ場に人間が食べ物を放置して帰ることで熊がその味を覚え、度々出没するという現状もあるようです。食べ物を放置することは絶対に行ってはいけません。
熊の被害に遭わないために大切な5つのこと:
- 事前情報の収集 – 自治体やキャンプ場への確認
- 食べ物の管理 – 確実なのは車内保管
- 熊に人の存在を知らせる工夫
- 子どもの単独行動を避ける
- 遭遇時の対応 – 距離に応じた正しい行動
これらを守ることで、熊との共存を図りながら、安全にキャンプを楽しみましょう。
※この記事は環境省の『クマ類の出没対応マニュアル』より、「クマ類の生態と現状」、「III クマ類に遭遇した際にとるべき行動」および「クマ類の生息状況、被害状況について」を参考に作成しています。

