自然環境の保護や他のキャンパーとのトラブル回避のために「キャンプマナー」が重要視されています。初心者であっても、キャンプに慣れた玄人であっても一度は確認しておきたいのが、キャンプ場での基本的なルールやマナーです。
キャンプ場のルールやマナーの中には、当たり前すぎてキャンプ場からあえて説明されないこともあります。この記事では、体験談をおりまぜながら、最低限守るべきルールやマナーを紹介します。気をつけなければいけないのは、初心者や子どもだけではありません。玄人も大人であっても知っていないといけないのがルールやマナーです。
基本的なルールやマナーを確認して、他人にも自然にも優しいキャンプを楽しみましょう。
消灯時間を守り、夜は静かに過ごす

多くのキャンプ場には消灯時間やクワイエットタイム(静かに過ごす時間)が設けられています。これは、電気を消して、他のキャンパーの睡眠を邪魔しないように静かに過ごす時間のことです。夜の就寝時間だけでなく、朝方の時間も設定してある場合があるため、注意してください。
夜のキャンプ場では、たとえ小声での会話であっても想像以上に響くものです。隣のサイトのひそひそ話の内容がわかってしまうこともあります。気をつけましょう。また、車のドアの開閉音は夜間帯はよく響きます。夜間は車のドアを開け閉めしなくて良いように心がけましょう。
実際にいた迷惑キャンパー

キャンプ場で度々出会うのが、お酒をのみながら、夜でも語り明かしたいキャンパーです。
先日出会ったのは、還暦を過ぎていると思われる男女4人組のキャンパーでした。明るいうちからお酒を飲んで盛り上がっていました。消灯時間が近づいても片付けをするそぶりはなく、相変わらず盛り上がっていたため、嫌な予感がしていましたが、その予感は残念ながら的中しました。
クワイエットタイムに入ってから、大きな声でしりとりを始めた時には「いい年してなにしてんねん……」と呆れてしまいました。本当に恥ずかしいです。
お酒を飲んで、会話を楽しむのはいいと思います。しかし、消灯時間は守りましょう。消灯時間を過ぎても語りたいなら、消灯時間のないキャンプ場やテントではなくちゃんと壁のある、ホテルや自宅で語って欲しいと思います。
そんな方に出くわした時は……
もし、そんな迷惑な方達に出くわしたら、直接注意するのではなく、キャンプ場の管理者に電話をして注意してもらいましょう。私も実際に、管理者に注意してもらったことがあり、大変助かりました。
しかし、そういう方達は注意しても素直に聞いてくれない場合もあります。声のボリュームが小さくなってもやっぱり話し声がきになることもあります。そんな時のために、耳栓を用意しておく必要もあるのかなと思っている今日この頃です。
夜間帯に眠らずに他の人の会話を聞きたい人はいません。他のキャンパーの睡眠を邪魔することがないよう、消灯時間を守り静かに過ごしましょう。
キャンプ場内では車は徐行しましょう
キャンプ中に、入浴施設や買い物に行くために車を移動させることがあるかもしれません。その際は必ず徐行しましょう。キャンプ場には小さな子供が歩いていたり、夜間帯は暗くて人の存在がわかりづらいこともあります。車を動かす際はいつでも止まれるスピードで徐行しましょう。キャンプ場によっては場内の制限速度を設けているところもあります。その際は、制限速度に従いましょう。
子供を持つ親としては、子ども自身にも車に気をつけて急な飛び出しをしないように見守る必要がありますね。また夜間帯に車の移動ができるキャンプ場の場合は、歩行者はランタンなどの明かりを持って自分の場所を知らせる工夫が必要です。
人のサイトに入らない
キャンプ場でのサイトは、その日限定で借りた庭のようなものです。人のサイトに入るということは他人の敷地に勝手に入るのと同じことなのです。人のサイトには入らないようにしましょう。
恥ずかしい私の話
恥ずかしながら、私はこのルールをキャンプを始めたばかりの頃知りませんでした。
我が家2回目のキャンプの出来事です。廃校のグラウンドを利用したキャンプ場で、区画はロープで仕切られていました。私のサイトは端から2番目、一番端の方はデイキャンプ利用の方でサイトの半分くらいしか使用されていませんでした。洗い場から自分のサイトに行く際は、その一番端のサイトの周りをまわる必要があったため、私は隣のサイトの使用されていないスペースを何度も何度もあたりまえのようにとおっていました。何度も何度もです。本当に恥ずかしい。
注意を受けることはありませんでしたが、きっと横切られたサイトの方は「おいおい……」と思っていたことでしょう。サイトに入ってはいけないという当たり前のルールを知った時には、あの時になんてことをしたんだろうと恥ずかしくなりました。
他人のサイトで遊ぶお母さんと子ども

あるキャンプ中、近くのサイトを利用していた、あるお母さんと小さな子どもの話です。
その日のキャンプでは我が家はテントとタープの間にスペースがありました。
追いかけっこを楽しむお母さんと、きゃっきゃいいながら逃げる子ども。
子供は、見事に我が家の区画のテントとタープの間を通り抜けました。お母さんは、「○○ちゃん、どこへでも好きなところへいっていいよ〜」と大声でいいながら楽しそうに子どもを追いかけていました。帰りも親子は我がサイトのテントとタープの間を通り抜けて行きました。あっという間で注意する間もありませんでしたし、親子があまりにも楽しそうだったので、その時は「まあいいか」と思いました。
複数回同じことが起きていたら注意していたと思います。
場所取り・遊ぶ際のマナー
これはおもにフリーサイト利用時のマナーです。

場所取りのマナー
フリーサイトによっては広大な敷地にテントがひしめき合っている場合があります。他者のテントと距離が近くなってしまう場合もあります。距離が近くなる場合は相手に一声かけて確認をした方が良いでしょう。そうすることで、何か不具合が起きた時に声をかけやすくなり、お互いに気持ちよく場所を使うことができます。また、場所取りの際に、焚き火台やバッグなどで必要なスペースは確保しておくことで後からのトラブル防止につながると思います。
フリーサイトには「ツールームテントは1張りまで」「テントとタープ1セットまで」などのように規定がされているところがあるので確認しましょう。
遊ぶ際のマナー
フリーサイトで遊ぶ際には、ボールなどが人や他人の持ち物に当たらない場所で安全に遊ぶ必要があります。
これはとあるキャンプ場で、アーチェリーやモルックで遊んでいた隣の6、7人のグループキャンパーの話です。
テントがひしめき合っているフリーサイトのキャンプ場。その方々は、大体の利用者がテントの設営を済ませた頃にやってきました。我が家のテントの前にスペースを見つけた彼らはそのスペースに複数のテントを張り始めました。私たちは近くにテントを張られるとは思っていなかったので、もっと広く場所を取っておけばよかったと後悔しました。
十分なスペースのない環境の中で、その方々はアーチェリーやモルックで遊び始めたのです。アーチェリーの矢は近くで遊んでいた我が子に当たりそうになりましたし、しまいには我が家のテントの外ロープに当たりました。
彼らはその後、モルックを始めました。夫が炭を起こそうとしている場所の近くに並んで、仲間ががモルックを投げるのを見ている始末。仲間が投げたモルックが自分達に当たりそうになれば、当然、後ずさりします。その中の誰かが炭に当たって点灯するのではないかとヒヤヒヤしたのち、別の場所で遊んでもらえないと注意しました。
火のそばで物を投げて遊ぶのは危ないと大人ならわかるはずです。でも、集団になると分からなくなるから怖いのです。気をつけましょう。十分な場所がない場合は、物を投げて遊ぶのは危険なのでやめましょう。
焚き火・炭の処理
焚き火はキャンプ場のルールに従って行いましょう。自然へのダメージや火事の防止のために直火禁止となっているキャンプ場がほとんどです。焚き火は焚き火台を使って楽しみましょう。また、焚き火シートやキャンプ場で準備された専用の台を使用するように呼びかけているキャンプ場もあるため、キャンプ場のルールを確認して行いましょう。
灰はキャンプ場に指定された方法で処理しましょう。灰捨て場がある場合は灰捨て場へ捨てましょう。
ごみの分別
ごみはキャンプ場に指定された方法で分別しましょう。回収されない場合は持ち帰りましょう。自宅での分別方法と異なる場合があったり袋が指定のものでないと捨てられないことがあるので、受付の際に確認しましょう。
調理場、流し場の使用
他の利用者と共有で使う調理場や流し場は綺麗に使用しましょう。残飯はなるべく自分たちのごみに入れて処理しましょう。
流し場は時間によっては混むこともあります。占領せずに譲り合って使用しましょう。
最後に
キャンプをする際に知って起きたい、ルールやマナーについてお伝えしました。知らないと恥をかく、そして、他のキャンパーさんを不快にさせてしまうかもしれません。ルールやマナーを守って、お互いに気持ちよく過ごしましょう。
